活動方針


2021年度活動方針


T 私たちをとりまく情勢

昨年、2020年は、新型コロナウイルス感染症のたたかいで明け暮れましたが、この感染症のパンテミックの勢いは、今年になっても衰えず、世界の感染者は1億人を、死者は220万人を超えて、収束の見込みが立っていません。世界各国が、「医療崩壊」の瀬戸際に立たされています。

私たち人類は、このコロナ禍から何を学ぶか、人類学者の山極寿一京都大学総長は、次のように述べています。「地球の環境破壊を抑えないと、気候変動の問題だけでなく、感染症のまん延をもたらし、経済、社会に大きな被害をもたらします。問題は、利潤をあくまで追求し、利潤を将来の投資に向けるという資本主義の原則にあります。資本主義はそのための自然破壊をためらわないのです。発展途上国の手つかずの自然資源を利用して利潤をあげようとしています。これでは世界はもたない、コロナ禍のもとで誰もが資本主義は限界だと感じているのではないでしようか。」今、日本でも「医療崩壊」が始まっています。保健所や感染症専門病床を政府が削減してきたのが原因です。生産性、効率性に結びつかなくても、人間にとって医療や介護、教育は公共財と考え、重視しなければなりません。

安倍前首相は、森・加計・「桜を見る会」(前夜祭)など、国会の審議で事実と異なる答弁を118回も繰り返し、国会と国民を侮辱してきました。コロナ禍の対応でも、「一斉休校」や「アベノマスク」などで国民の信頼を失って9月に退陣しました。安倍政権を引き継いだ菅政権は、強権政治が露わになった学術会議への人事介入、広範な抗議を無視して、いまだに任命拒否の理由は説明していません。学問の自由を弾圧した戦前のような状態に戻すことが懸念されます。

2021年1月22日、核兵器禁止条約が発効を迎えました。人類の歴史で初めて「核兵器は違法」とする国際法が誕生しました。核兵器禁止条約が持つ法的な規範力と、世界の諸政府・市民社会の力が合わさって、「核兵器のない無い世界」への道を切り開く、新しい時代が始まりました。唯一の戦争被爆国である日本が条約に参加すれば、「核兵器のない世界」の実現に向けて大きな前向きの変化を創ることができます。

全世代型社会保障は、新自由主義の典型で、特に、75歳以上の医療費窓口2割負担は公助を減らし、現役世代と高齢者自身に肩代わりするもので撤回を求める国民的運動を起して、国庫負担を引き上げ初期の率に戻すべきです。2月3日、中央社会保障推進協議会は、全国代表者会議を開き、コロナ危機の中「自助」を迫る菅政権は、政治の役割放棄だと断罪。医療・介護・社会保障の抑制政策を大転換させ、市民と野党の共闘で、政治転換を求める世論と運動を前進させようと、訴えました。年金や生活保護の削減は高齢者の生存権を侵害するものです。コロナ禍で年金を減額する事は、生活実態を無視。コロナ禍で生活ができない国民は生活保護を申請して下さい、と厚労省も菅首相も言っています。窓口では水際作戦や事実と異なる説明がされています。生活保護は、生存権で国民の権利です。

菅内閣の支持率は発足直後の65%から33%に急落。与党は、宮古島市長選、山形県知事選で野党に敗北しました。菅政権は、国民の支持を失っています。市民と野党の共闘で、野党連合政権をつくることが、私たちをとりまく情勢の主流になってきました。7月の東京都議会議員選挙と秋までに行われる総選挙は高齢者の要求を実現し、悪政推進の自公政権を終わらせるチャンスです。


U 今年度の活動の重点


1 高齢者の人権を尊重する社会をめざす運動を軸に活動を進めます。

コロナの感染拡大は、新自由主義路線から生まれた全世代型社会保障政策の下で、高齢者を含めて社会的弱者が、苦しんでいる姿を浮き彫りにしました。それにもかかわらず菅自公政権は、後期高齢者に医療費2割負担を押し付ける法案を今国会に提出しました。

自民党政権が、老人医療費無料から有料にした第2臨調から40年、高齢者の人権は、真綿で首を絞めるように徐々に絞められ、権利は狭められて来ました。医療費は40年の間に無料から、今や2割負担にまで押し込められようとしています。財界と自公政権の攻撃の手法は、全ての世代の人権を奪いながら、「全世代型社会保障」を掲げて、世代間を分断し、国民が団結・連帯しない道へ誘導しようとしています。

日本高齢期運動連絡会は、一昨年の第28期総会で、高齢者の人権が尊重される社会をめざす運動の出発点として、1987年に制定した「日本高齢者憲章」をバージョンアップする事を決め作業を進めて来ました。

今年度は、コロナ禍から抜け出す取り組みを、人権が尊重される社会をめざす道と重ね合わせて取り組みます。同時に、後期高齢者の医療費2割負担を阻止する運動を、高齡者の人権を守る運動の具体化として、最優先に全力を挙げます。

1)新型コロナの感染拡大を食い止める施策を、政府がすべてに優先して全力を挙げる事を求めます。そのために必要な活動を行います。

2)日本高齢者人権宣言案の学習・討論会を、すべての団体、地域で行い、活動に生かす取り組みを行います。この取り組みを成功させるため、高齢期運動検討委員会を改組し、7名の高齢者人権宣言学習推進・高齢期運動検討委員会(略称 人権宣言・高齢期運動推進委員会)とし、人権学習推進のために10名の講師・オルグ団をつくり推進します。

3)75歳医療費2割負担を阻止するために、地域連絡会を軸に、都内役312万の高齢者と1300万都民に反対署名を働きかけます。この運動は、高齢期運動の1丁目1番地の運動です。署名は東京高齢者約312万の1割を越える35万筆、各地域で高齢者人口の1割を目標にします。

4)年金引き下げ違憲訴訟、新生存権裁判、最低保障年金制度実現の運動など、明日の生活にも不安をかかえる高齢者の人間らしく生きる権利を守る取り組みを学習活動と結合し、運動の大きなうねりをつくります。

2 地域の要求実現の運動を、地域住民や地域の諸組織と共同して取り組みます。

1)先ず第1に、高齢期に関する東京都の全自治体(伊豆諸島を除く)への要請行動を成功させます。東京高連は、20年以上、区市町村への要請行動を続けて来ました。地域での要求運動は、私たちの活動の重要な柱です。地域の人たちの実情を要求として自治体に提起する活動を通じて、地域の住民との協力関係を強めます。これは地域を基盤にして活動している私たちにとっては、欠かすことができない重要な活動です。この取り組みの強化は地域住民とのつながりを広げ、地域の高齢者に喜ばれ、信頼される存在になります。昨年は新型コロナ感染拡大の影響で、残念ながら十分に取り組めませんでしたが、今年は、全ての地域で、可能な取り組み方を検討し、成功させるために努力します。

さらに、全都的に共通する要求に焦点をあて、共同して実現を図る取り組みを進めます。

  

2)地域を運動の基盤にして活動している民主的な団体。組織は、各地域に複数あります。これらの細織が共同して活動する事が、地域の信頼を得て、地域の人たちの役に立つ組織に発展します。これが地域連絡会の姿です。全ての地域に地域連絡会・高齢者のセンターをつくる事をめざします。

3)『まちから村からの連帯で一人ぼっちの高齢者をなくそう』は高齢期運動の大きな柱です。コロナ禍で家に閉じこもり状態になっている高齢者が増えています。こうした時だからこそ地域に目を広げ、できるところから「たまり場」「サロン」づくり、学習の場、たすけあい、見守り、?がりづくり、生きる喜びとなる文化的活動など、様々な要求実現の場を地域から作っていきましょう。

3 憲法に基づいて国民の命と暮らし・平和と民主主義を守る運動をすすめる人々との共同を強めます

東京には、憲法9条、25条を守る活動や、平和や生活擁護の権利の獲得、人間らしく生きる社会をめざす活動に、多くの方々が取り組んでいます。この人間らしく生きるために運動している団体や組織の方々と連帯し、共同を広げます。

4 日本高齢者大会と東京高齢者のつどい成功のために力を尽くします

日本高齢者大会と東京高齢者のつどいの成功は、高齢期運動にとっては極めて重要な取り組みで、この二つの大会の継続が高齢期運動を支え発展させてきました。この取り組みは高齢期運動の要の1つです。今年度、はコロナの感染拡大の影響でどのような形になるか未定ですが、開催可能な形態を検討し、開催実現のために取り組みます。

5 東京高連の組織の強化のために次の取り組みを行います

東京高連は、第16回日本高齢者大会in東京を契機に、繋がりが弱かった三多摩地域が加わり、第30回大会in東京の取り組みで、運動と組織の活性化で前進を勝ち取りました。あれから6年、現在の東京高連は、名実ともに日本高連の中核的存在です。今年度は、急速に変化する情勢に見合った活動を行うために、次の課題に取り組みます。

1)事務局体制の強化
2)役員の任務分担を明確にする
3)地域連絡会に対する援助
4)都段階の団体との連携強化
5)財政の確立、活動資金の確保

V 今年度取り組む課題

1 改憲阻止,戦争する国づくり阻止を重要課題として取り組みます。
2 「全世代型社会保障」の狙いを暴き、社会保障破壊に反対します。
3 東京都に、高齢者施策、福祉施設、高齢者施設の充実を求める取り組みを進めます。
4 国民健康保険料(税)引き上げに反対し、引き下げを要求します。
5 介護保険制度の改悪に反対し介護の充実を求める取り組みを進めます。
6 保健所の復活・増設、公衆衛生体制の充実、病院統廃合の強要反対、都立病院独法化阻止をはじめ、医療制度の改悪に反対し地域医療を守る取り組みを進めます。
7 憲法25条を守る共同を進め、最低保障年金制度の確立、生活保護制度の充実をめざして取り組み、年金引き下げ違憲訴訟と新生存権裁判を支援します。
8 労働法制の改悪に反対し、最低賃金引き上げを要求します。高齢者の雇用、就労対策の充実を求めます。高齢者への「雇用によらない働き方」の拡大に反対します。
9 辺野古新基地建設反対、横田基地撤去の運動に取りくみます。
10 ジェンダー平等社会の実現をめざす運動に取りくみます。
11 7月4日投票の都議会議員選挙、秋までに行われる総選挙で、憲法9条、25条を実現する政治の実現をめざして取り組みます。
12 東京オリンピックは中止し、その財源をコロナ対策にするよう要求します。

総会議案PDF